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あらすじ
1945年8月6日、第二次世界大戦中の広島は、普段と変わらない朝だった。父の福一と共に建物疎開の準備をしていた19歳の美甘進示は、自宅の屋根に上って瓦を剥がしていた。その時、目をくらます激しい光が襲った。その "爆発する太陽" は一瞬にして進示を真っ暗闇の奈落の底に突き落とした。史上初めての原子爆弾は広島中を焼き尽くし、一瞬にして7万人以上の命を奪ったのだ。
真夏の炎天下、父と息子は想像を絶する苦痛の中、ひどく焼けただれた体を引きずって、救助を探し彷徨う。あたり一面息絶えた人々と呻き声で埋め尽くされ、救いの手はどこにも見当たらない。進示はあまりの激痛から解放されたい一心で、死にたいとすら願った。だが父・福一の力強い言葉に支えられ、進示は必死で前へ進む。しかし、父と離れ離れになった進示はひとりきりになり、毎日父が探し当ててくれるのを待っていた。
3ヶ月後退院できるまでに回復した進示は、父を探して自宅のあった場所に戻った。そこで燃え尽きた瓦礫の中から、ガラスは吹き飛び、高熱により針の影が文字盤に焼きついた父の懐中時計を見つける。全て焼き尽くされた広島で進示を家族や先祖と結びつけるものはそれしかなかった。40年の月日が経ち、進示の平和への願いは形となってニューヨークにある国連本部に届く。しかし、その数年後ニューヨークを訪れた娘の章子は驚くべき事実を知る。日本中を駆け巡ったその知らせは、新たな恵みへと導くものとなる。
制作チーム
監督
J・R・ヘッフェルフィンガー
監督・プロデューサー、制作会社 Runaway Horses 創設者。
声なき声を聴き、見逃されてしまうものに光をあてるという信念のもとに映像作家として高く評価されている。これまでHBO、Facebook、ディズニーなどに作品を提供している。
長編デビュー作品「虹の下に」は第28回ミルバレー映画祭で世界初公開され「黒澤監督や今村監督の精神に触れたようであり、不屈の生の輝きと響き合う」と評された。
エグゼクティブ・プロデューサー
原作著者
美甘 章子
原作「8時15分 ヒロシマで生きぬいて許す心」著者。広島市出身。被爆二世として世界平和への願いと使命を身近に感じて育つ。父・進示氏の被爆体験を記した本書は先に英語で執筆、出版された。それまでほとんど英語で語られたことが無かった至近距離被爆体験を、幼い頃から聞いていた父の話を元に記し、逆境に打ち勝つ強さと許す心の大切さを世界に伝えた。
異文化環境における人々の深い理解と調和を目指し、カリフォルニア州を拠点とする臨床心理医として心理療法(カウンセリング)、エグゼクティブ・コーチング、教育、執筆活動、啓蒙活動などをグローバルに行っている。
2014年英国貴族院において、The World Peace and Prosperity Foundation (世界の平和と繁栄を促進する財団) より、世界平和賞を受賞。著書や啓蒙活動を通して「許す心」と「共感」というメッセージを世界に発信し、類稀な貢献をしたとして称えられた。